単行本&漫画
2008年05月10日
インタビューかくあるべし!

バンドライフ ―
バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
吉田豪
【収録インタビュー】
森若香織(GO-BANG’S)
氏神一番(カブキロックス)
関口誠人(C-C-B)
ダイヤモンド☆ユカイ(レッド・ウォーリアーズ)
水戸華之介(アンジー)
中山加奈子(プリンセス・プリンセス)
阿部義晴(UNICORN)
いまみちともたか(バービーボーイズ)
BAKI(GASTUNK)
石川浩司(たま)
サンプラザ中野くん(爆風スランプ)
サエキけんぞう(パール兄弟)
NAOKI(ラフィン・ノーズ)
KERA(有頂天)
仲野茂(アナーキー)
MAGUMI(LA-PPISCH)
KENZI(KENZI&THE TRIPS)
イノウエアツシ(ニューロティカ)
ダイナマイト・トミー(COLOR)
大槻ケンヂ(筋肉少女帯)
----------------------------------------------------------------
取材される側が唖然とするほどの入念な下調べと、
誰の懐にも飛び込んでいける豪快さと繊細さを兼ね備えたパーソナリティで、
いま日本最高のインタビュアーとして評判の吉田豪。
この本は、かつてバンドブームのときに華々しく活躍した20人のミュージシャンたちへ、
そんな彼が体当たりして行ったここ数年のインタビューをまとめたものである。
はっきり言って、メチャメチャ面白い!!貪るように一気に読み終えてしまった。
ブームから二十年、彼らの口から語られるその後の人生悲喜こもごも。
あの当時、給料や印税がいくらだったのか。
いかに騙されて、踊らされていたのか。
そして今はどうやって生計をたてているのか。
あまりにもリアルかつ切実で、かつてのロックスターの幻想はどこにも見当たらない。
華やかな栄光から、一気にドン底へ。
バンドブームの終焉とともに訪れた、レコード会社との契約切れ、事務所の倒産、そしてバンドの解散。
ここに登場する多くのミュージシャンが鬱病やノイローゼになったと答えている。
CDは売れず、観客動員はみるみる激減。音楽だけでは食べていけないという現実。
それでもみんな、一度突き落とされた底辺から、はい上がってこようとしている。
今度は辛いことも悲しいことも、笑いに変えていける強さと謙虚さを持って。
40も半ばとなって、誰もが自分の弱さや愚かさを隠しもせずに、
半ば自虐的なギャグにしながらも告白している。
もうカッコつける必要など無いのだ。
薬物による自己喪失と戦い、ゴミ収集のアルバイトをしながら社会の底辺を見たというKENZI。
かつて番組で一緒だったフミヤがテレビで歌うのを横目で眺めつつ、
ラーメン屋でレバニラ定食を客に出す関口誠人。
「僕は・・・いや拙者はそう思う(汗)」などと、キャクター作りのツメの甘さが憎めない氏神一番。
おそらくガスタンク時代からも含めて、初ともいえるBAKIの貴重なロングインタビュー。
さらにNAOKIの、笑ってしまうほどの貧乏ぶり(現在家なし・住所不定)にもかかわらず、
年老いた両親に仕送りを続けている事実をカラっと明るく語るところなどは、
胸が締め付けられて思わず目頭が熱くなった。
男の中の男。彼こそ本物のパンクだ。
ミュージシャンに限らず大人なら誰しもが感じるであろう、食っていくことの大変さ。
ある程度の年齢までいくと、もう後戻りは出来ず、
人生のリセットボタンなんてどこにも無いのだということに気付く。
彼らと年代の近い僕は、身を持って実感するだけに
ここで語られている一言一言が重く、様々なことを考えさせられた。
そして同時に勇気も湧いてくる。よし、オレも頑張らねばと。
30代以降の人であるなら、間違いなく共感することの多い一冊である。
しかし「初めて取材でギャラもらった」と口にする人がこれだけ多いとは・・・
いかにバンドマンという職業が報われない宿命にあるのか。
2007年11月18日
ロックな漫画といえば
ユリイカ 2007年11月臨時増刊号総特集=荒木飛呂彦〜鋼鉄の魂は走りつづける
ロックを題材にした小説や評論は数あれど、
漫画となると実は数えるほどしかない。
それはきっと「音」の持つパワーや感動を活字で表すことよりも、
絵で表現する方が数万倍も難しいということなのであろう。
ちなみに自分の知っているところでは、
最近だと正統派な『BECK』や『NANA』、
少々邪道(?)な『デトロイト・メタル・シティ』、
懐かしいところでビジュアル系にも絶大な影響を与えた『TO-Y』、
さらに思いっきり古いものでは
『気分はグルーピー』(誰も知らんでしょうな)などがある。
あとストーリーは全然ロックとは関係ないけれど
登場人物の名前がロックといえば、
なんといっても荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』。
第一部・第二部のディオ、サンタナ、カーズ、エシディシ、ワムウなどに始まり
第六部ではフー・ファイターズ、マリリン・マンソンなどと、もうそのまんまである。
(もっとも人物ではなく「スタンド」の名前であるが)
しかし漫画自体は
もはやアートの域に達しているともいえる素晴らしい傑作なので、
まだ読んだことがない方は是非一読を。
どんなに困難な道にも立ち向かう「勇気」。
「運命」は偶然ではなく自分で引き寄せるもの。
そんな人間の生き様についてのメッセージが、
観る者を圧倒する画力と台詞で迫ってきます。
全世界で7000万部突破。
オラオラオラオラオラオラオラオラッ!
2007年10月28日
混乱と泥沼のスタートだった
ロック・フェスティバル西田 浩 (新潮新書)
97年、台風が直撃し大混乱となった
伝説の第一回目のフジロックから10年。
今や、すっかりロックフェスがこの国にも根付いた感がある。
こんな新書が出るくらいだ。
この本ではフジやサマソニがいかにして発展し定着してきたかを
主催者・スタッフ・出演者の証言を交えて、
その道のりと舞台裏をレポートしている。
さらに、尻すぼみに終わった他のフェスや、
海外の成功例なども列挙しつつ冷静かつ綿密に検証している。
筆者は新聞社の文化部所属のためか、
音楽雑誌などの熱を帯びたトーンとはやや異なるが、
これはこれで新鮮で面白い。
しかし毎年フェスの季節(夏)になるといつも必ず思うことがる。
「オレたちの若い頃にこんな楽しいイベントがあれば…」
いやいや、まだ何も始まっちゃいないスよ!
と、自分に言い聞かせるのだった。








