April 04, 2010

今週の一曲:Pink Floyd

Pink Floyd/Wish You Were Here <1975年>

ピンク・フロイドと聞いて、「あぁ、古いプログレのバンドでしょ?」と
そんなイメージだけで敬遠している90年代以降のロック好きな人、それはかなり損してると思う。
おせっかいかもしれないけれど、もし機会があれば一度
Wish You Were Here (炎〜あなたがここにいて欲しい)』というアルバムを聴いてほしい。

全5曲入りで、しかも1曲目の「Crazy Diamond」なんていきなり13分半もあり、
歌が始まるのは8分40秒あたりだから、ほらやっぱりプログレじゃんというかもしれないけれど、
これはサイケデリック・ロックでありブルースなんだな。

不穏な静寂の中、たっぷりとタメを効かしたデヴィッド・ギルモアの長い長いギターソロで幕を開け、
ようやくロジャー・ウォーターズの歌が語りかけるように始まった途端、いきなり訪れるクライマックス。
シャ〜イン オ〜ン ユ〜 クレイジーダイヤモンド!
ドラッグで廃人となってしまった初期中心メンバーの
シド・バレットに捧げられているという説もあり、尚更グっとくる。

もうこれだけでも十分名盤に値するのだが、本作にはもう一つ輝ける宝物があるんです。
それはタイトルナンバーでもある4曲目の「Wish You Were Here」。
歌はほとんどフォークとも言える朴訥とした曲なのに、
幾度となく繰り返される空虚なメロディは、どこか世の無常や諦念を感じずにはいられない。
生きていく中で様々なものを失っていくことへの喪失感がここには込められていて、
ボクは辛いことがあるとよくこの曲を口ずさむ。

  So, so you think you can tell
  今でも きみは分かっているのか?
  Heaven from hell, blue skies from pain.
  天国と地獄 青空と苦痛の違いを
  Can you tell a green field from a cold steel rail?
  冷やかな鋼鉄の線路と 緑なす野原の違いを
  A smile from a veil?
  そして暖かい微笑みと 失笑の違いを
  Do you think you can tell?
  きみは今でも分かっているのというのか?
  (中略)
  Wish You Were Here
  きみが ここにいてくれたら...



そういえば1988年の大阪城ホールでのライブでは、もちろん例の巨大な豚が飛んでいた。
世界中で散々使用されていたからか、
当時のモノは遠目に見てもボロボロに痛んでるのが分かったけど(笑)。



pig
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この記事へのコメント

1. Posted by かおもじ   April 04, 2010 09:21
ピンクフロイドは、狂気を聞いてなんだかよく分からないな〜と止まってしまっています(^^;)
が、今回の紹介文を見る限り狂気よりプログレらしさを感じることが出来そうかなと再チャレンジの意欲を高めています。
それよりクレイジーダイヤモンドってここからきてたんだなぁと、僕の好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』で主人公が使う能力の名前なんですが、今更ながら知ることが出来て興味がわいています。
2. Posted by 最速   April 04, 2010 15:11

お久しぶりです(^-^)



かおもじ様のところで予告された通り『炎』の記事、嬉しく思います



私の15年来の音楽仲間で、11歳年上のブルースをこよなく愛する人が「俺にとってこのアルバムはブルースアルバムだ」と言っておられました。


なるほど。


確かにデイブ・ギルモアのギターを聴くと(状況にもよりますが)泣けて来ます。(と言うか泣きました)



文句無しの一枚ですね。



『狂気』も同じ位聴きましたし、好きですが、私は『炎』の方が思い入れが強いです。


ありがとうございました。
( ´∀`)



3. Posted by 車輪   April 04, 2010 21:10
僕もこのアルバムはつい最近聴いたばかりですがシドのエピソード抜きにしてロックアルバムとしてもクオリティの高さに驚きました。僕はレディへ繋がりでピンクフロイドにたどり着いたので90s以降のロックからリンクしてると思います。そんな動機ではありますが聴かなきゃ損な気もしますね(笑)コハゲさんのアルバムに対する思い入れとレビューが巧くまとめられていてスゴイなと思いました。
4. Posted by コハゲ -管理人-   April 04, 2010 22:09
>かおもじさん

そうそう、まさに仗助のスタンドはここから来てるんですよ。
さらに康一のエコーズも、ピンク・フロイドの古いアルバムからです。
「炎」は「狂気」のようなコンセプトアルバムとはまた全然違うのでぜひ聴いてみてください。
あと「ザ・ウォール」はオススメですよ!
当時アナログ2枚組で聴いて、途轍もなく衝撃を受けたアルバムでした。
ボクも「狂気」はそんなになのです・・・
5. Posted by コハゲ -管理人-   April 04, 2010 22:11
>最速さん

お久しぶりです!
そちらもそろそろ春の気配が訪れてきましたでしょうか?
ボクらの世代のさらに11歳上のブルースマンが音楽仲間とは、なかなか凄い話ですね!
自分は周りに音楽の話ができる年上の人がいないので、とても羨ましいですよ。
しかしその方も本作をブルースと位置づけていらっしゃるとは、とても興味深い!
そうなんですよね、全体を通じてデイブ・ギルモアのギターがかなりブルージーな味を出しています。
あのチョーキングでの「間」の取りかたや余白が、また泣けてくるんです。
6. Posted by コハゲ -管理人-   April 04, 2010 22:14
>車輪さん

車輪さん始め、ブログでこのアルバムを取り上げてる方の何と多いことでしょう!
やっぱりそれだけ時代を超えてもロックファンを惹きつける魅力があるのだと思います。
しかしなるほど若い人はレディヘ繋がりでピンク・フロイドという順番になるんですね。
それも面白いと思います!あとレビューについて触れていただきありがとうございます。
実はボクは一般的な音楽レビューであるような、メンバーの紹介だとか時代背景とかを書くのが
かなり下手、というかよう書きませんので(笑)、どうしても身近なエピソードばかりに絡めての文章になってしまうのでした。
7. Posted by william   April 04, 2010 22:57
まさに「そんなイメージ」で敬遠してる90年代以降のロック(パンク)好きです(笑)。
少し前、NHKかどっかの深夜番組(テリー伊藤とかがしてる)で、京都の世界遺産で大音量でプログレを鳴らすっていうのをやってて、プログレもなかなかよさそうだなというのはありました。
この曲、たしかに殺伐としてますが、感動的なナンバーですね。少し前に聴いたコハゲさんおすすめのウィルコにも通じるものがあるような気がします。
8. Posted by コハゲ -管理人-   April 04, 2010 23:21
>williamさん

まぁふつうは敬遠しますよね、このあたりのバンドは(笑)。
でもね、プログレッシヴ・ロックと言っても当時のそれらは、
現代の複雑なロックと比較すると全然シンプルかもしれませんよ。
バトルズやスリップノット、マーズ・ヴォルタあたりの方が、よっぽど複雑で音数も多いです!
そういえばこの曲は確かにウィルコにも通じるものがありますね。
素朴で淡々としていながらも、心に染み入るような深みがあるというところで。
ボク弱いんですよ、この手の曲に。なのでヘイデンなんかも凄く好きです。

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